こんにちは、はじめです。

「大人から始めて、結局どこまで行けるんですか?」

重い質問ですが、15年やった人間として正直に答えます。

限界はあります。でも、その限界はあなたが思っている場所よりずっと高くて、たどり着く前に別の答えが見つかります。

順番に説明させてください。

まず、正直に「ある」ものの話

嘘をつきたくないので、大人スタートで難しいものを先に書きます。

  • プロのコンサートピアニスト:これは無理です。幼少期からの積み上げが前提の世界です
  • 絶対音感:臨界期(幼少期)を過ぎると獲得はほぼ不可能とされています
  • 超絶技巧のレパートリー:ラ・カンパネラ級を「完璧に」弾くのは、大人スタートでは相当な狂気(賛辞です)が必要です

「大人は上達しない」と言われる理由も実在します。基礎の獲得に時間がかかる、練習時間が限られる、幼少期に作られる音楽的地盤がない。全部事実です。

でも、天井は思っているより高い

ここからが本題です。

僕は25歳ゼロスタートで、現在ツェルニー40番、レパートリー100曲弱。ショパンのノクターンもワルツも弾きます。そして僕程度、大人スタート界隈ではまったく珍しくありません。

世の中には、大人から始めて幻想即興曲を弾く人、英雄ポロネーズに挑む人が普通にいます。アマチュアコンクールの大人スタート部門を覗くと、「これで大人からなの?」という演奏がゴロゴロしています。

つまり現実的な天井は、「憧れの名曲の大半が、時間をかければ弾ける」あたりにあります。趣味として、これで足りないものがあるでしょうか。

「相対音感」は大人でも育つ

絶対音感は無理と書きましたが、実用上大事なのは相対音感(音と音の関係を聴き取る力)で、これは大人からでも確実に育ちます。

僕も15年で、聴いた曲のメロディを鍵盤で探せる程度には育ちました。演奏に必要な耳は、大人からで間に合います。

限界を感じる正体は、大抵「壁」

「限界かも」と感じる瞬間は何度も来ます。でも15年やってわかったのは、そのほとんどが限界ではなく停滞期(壁)だということです。

大人の上達は階段状です。数ヶ月伸びない時期の後、急にガクンと弾ける日が来る。停滞期に「才能の限界」と誤診して辞める人が本当に多い。

壁の突破法は仕組みの話で、上手くなる人の共通点練習のコツに書いた通りです。才能の出番はまだ先です。

そして、限界の手前で気づくこと

最後に、一番伝えたいことを。

15年弾いてきて、「限界」について悩む時間はどんどん減りました。理由は単純で、弾きたい曲を弾いている時間が楽しいからです。

ピアノは他人との競争ではありません。昨日弾けなかった小節が今日弾ける。半年前に無理だった曲に手が届く。この喜びは、天井の高さと無関係に、死ぬまで供給され続けます。

限界を心配して始めないのは、「フルマラソンで優勝できないから走らない」と言っているのと同じです。走る楽しさは、優勝と関係ない場所にあります。

まとめ

  • プロと絶対音感は無理。それ以外の天井は驚くほど高い
  • 現実的な到達点は「憧れの名曲の大半が弾ける」
  • 「限界かも」の9割は停滞期の誤診
  • そして限界は、楽しさとは無関係

習得期間のリアルと合わせて読むと、道のりの全体像が見えるはずです。